Last Updated on 2025年2月12日 by nekoto
世界では今、いかにして地球温暖化を防止するのかが大きな課題となっています。
2015年に開催されたG7会議では、先進七か国は2050年度までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする取り決めを採決しました。
これはパリ協定と呼ばれるものであり、日本では2025年度までに国内の火力発電所の稼動を停止することも正式に述べたほどです。
現在は計10基の火力発電所があり、年間約40万キロワットの電気を発電しています。
この代替となる施設は原子力から水力・風力となっており、さらには太陽光ソーラーパネルを使用したソーラー発電も組み込まれます。
現在は企業に対してメガソーラー発電の装置を取り付けることを自治体の条例で推奨をされていますが、さらに2022年度からは一般家庭も対象にされるようになります。
すでに新築の住宅には再生可能エネルギー装置が取り付けられており、家庭で普及をしているのが地熱発電というものです。
そこでここでは、この地熱装置で全国のトップシェアを占めている「朋和産業」について、会社の特色や概要を述べていきましょう。
朋和産業の会社概要
まずは会社の概要について見ると、1960年に愛知県名古屋市で設立をされました。
当初は天然ガスを用いた機材を専門に生産・販売をなされたところで、都市ガスの普及にも一役買ったところです。
今ではどこのご家庭でもシステムキッチンを取り付けており、ガスまたは電気を駆使した調理をすることができます。
ところが高度経済成長期の初期だとまだ都市ガスが敷設をされておらず、プロパンガスを使用して調理をおこなっていました。
コンロを使うにはマッチで火をつけないといけず、たびたび不完全燃焼による事故も発生していたほどです。
朋和産業では1964年に都市ガスを利用するシステムキッチンを開発しており、これが一気に全国に広まりました。
また日本では公団住宅の人気に火が付いており、初期設備としてこの会社のキッチンを採用したことも人気の理由です。
1980年代頃まではキッチンから浴室で使用する給湯器の生産を専門におこなっていましたが、1990年代後半からは業務内容に変化がおこりました。
新しく設立された部門では、循環型エネルギー機器の開発をおこなっており、ここで現在の地熱発電装置が生まれます。
循環型エネルギーについて
循環型エネルギーについて簡単に見ていくと、繰り返し利用ができるエネルギーのことを指すものです。
たとえば現在主流の火力発電の場合、必ず石炭を燃焼させて蒸気を生み出す必要があります。
液化天然ガスを使用しているところもありますが、こちらも化石燃料であるためコークという煤が発生するのが特徴です。
それらは再びリサイクルをする事は不可能で、廃棄処分をしないといけません。
おもに海上で埋立地として活用をされていますが、その処理能力にも限界があります。
このことを重要視した朋和産業では、何度でも繰り返し利用ができて、地球環境に悪影響を与えないエネルギーの活用を目指されるようになりました。
1999年に第一号となる地熱発電装置が誕生をしており、当初は非常に大きな設備だったので企業や工場に設置をされたものです。
日本は世界有数の温泉大国であり、地下200メートル付近を掘れば豊富な地下水と蒸気が噴出をします。
それに目を付けたのが朋和産業であり、スクラバーという管を地下深くに挿入して蒸気を吸い上げるシステムです。
地上にあるタービンを吸い上げた蒸気で回転させれば発電をすることhができました。
その後2004年以降からは一般家庭向けのコンパクトな装置になっており、エネループというブランド名で正式に製品化にこぎつけています。
地熱発電は日本で最初に誕生した再生可能エネルギー
地熱発電は日本で最初に誕生した再生可能エネルギーで、トップシェアとなりました。
メガソーラーパネルの場合、パネルの数が発電数を左右するため広大な敷地を必要とします。
一般家庭の平均的な4人家族だと、年間に約500キロワットの電力を必要とするので、戸建て住宅程度の狭いスペースに置くソーラーパネルでは十分な電気をまかなうことができません。
そのため別途電力会社と契約をして必要な電気を購入する手間も掛かります。
ところが地熱発電の場合はその限りではなく、必ず地下に含まれている地熱を必要な分だけ吸い上げてタービンを駆動させることが可能です。
その生み出すエネルギーは1日で200ワットとなるため、生活をするうえでは十分な容量といえるでしょう。
朋和産業ではさらに蓄電池も開発をされました。
余った分の電気をこの電池内に留めることができ、災害時には約1週間は電気を賄える環境を作り出せます。
余剰電気を電力会社に販売できる法律が2010年に施行をされました。
まとめ
この法律によって、毎年多くの一般家庭で再生可能エネルギー装置を取り付けられています。
朋和産業では補助金の対象となる機材も販売しており、今後も注目される会社になっていくことが伺えるでしょう。