歯科医師として働くときに覚えておくと良いポイントとは

Last Updated on 2025年2月12日 by nekoto

歯科医師は、歯学に基づき傷病を治したり健康を管理することを行う医療従事者のことを指します。
一般的には、歯医者とも呼ばれることが多いです。
歯の病気で代表的なものには、虫歯や歯周病などが挙げられます。
これらに関する治療はもちろん、さまざまな歯の病気を予防措置や口の中の衛生状態を向上させるための保健指導も業務の一つといえるでしょう。
ほかに、クリニックにもよりますが多くの場合は歯のホワイトニングや歯列矯正なども診療の一環として行っています。

 

開業医の平均年収は約640万円台

業務を行う場合、歯科技工士・歯科衛生士などと協力したうえでチーム体制で治療を行うのが一般的です。
年収面を見ると開業医と勤務医で異なっており、まず開業医の平均年収は約640万円台です。
勤務医のほうが儲かるイメージがありますが、実はほかの診療科目の専門医と比較すると歯科の開業医はそこまで儲かってはいません。
理由としては歯科クリニックを開業する場合は、初期の設備投資がかなりかかることが多いです。
医師の開業にかかる費用に関しては、安く済んだとしても5,000万円以上かかるのが通常です。
中には7,000万円かかったという事例もあります。
費用の内訳は、開業する土地・場所の確保に約500万円必要であるほか内装・外装の工事で約1,000万円から1,500万円かかります。
医療機器を購入する場合の費用が最も多くかかり、約1,500万円から3,000万円もかかる場合もあります。

 

歯科クリニックは競争率が高い

それから開業したからといって、必ず利益を出せるとは言い切れません。
歯科クリニックは競争率が高く、また立地次第では人が集まりにくい場所になることもありその結果として経営が成り立たなくなってしまった事例も少なからずあります。
地方都市などの自治体で人口減少が問題化しているところでは、収入が低くなりやすいです。
経営が軌道に乗るまでの費用は、約1,000万円以上は用意しておいたほうが良いでしょう。
開業にあたっての広告や宣伝などの費用も数百万円かかる可能性があります。
ですので歯科クリニックの開業医として働く場合、開業するための費用の一部をローンを組んで返済しているケースは珍しくありません。
ただ、開業医の中でも繁盛しているところでは1,000万円以上の収入を得ているところもあります。
勤務医として働く場合の収入は、歯科診療所と一般病院で大きな差が生じます。
歯科診療所の勤務医の場合は、経験やスキルを積めば年収約600万円前後もらえるところが多いです。

 

勤務医の初任給に関しては約380万円台

一方で一般病院のほうは、経験・スキル次第で年収1200万円以上もらっている人は少なくありません。
ただ勤務医の初任給に関しては、約380万円台となっています。
どうしてこんなに差が開いているのかですが、病院のほうが経営が安定しており経営の安定性や規模の大きさが給与にも大きな影響を与えていることがいえるためです。
このためもしも安定して大きな収入を得たいときには、規模が大きな一般病院で働くほうが良いといえます。
また日本でも自費治療で行っている歯科クリニックはありますが、そうしたところではより多く稼げる可能性はあります。
勤務先・経験の有無・スキルなどを身につけた結果としてもらえる給料が大きく変化する傾向が大きいです。
歯医者として働くにあたっては、大学の歯学部で6年間教育を受ける必要がありそれに加えて歯科医師国家試験に合格する必要があります。

 

研修医として1年間研修施設の指定を受けた病院・診療所で働いて経験を積んでいくことも必須

年に一度行われる国家試験に合格することで歯科医師の免許が交付されるわけですがそれだけでは充分ではなく、研修医として1年間研修施設の指定を受けた病院・診療所で働いて経験を積んでいくことも必須です。
歯科大学の学費は国公立大学の場合は6年間で350万円くらいですので、そこまで高いわけではありません。
ただ、私立の場合は学費が2千万円以上かかるケースが多いです。
国公立大学のほうは比較的学費が安く済むこともあり、安定した人気を持っています。
一方の私立大学は、あまり人気がなく定員割れになっているところもあります。
国家試験の難易度については、年々難しくなってきています。
2006年に厚生労働省および文部科学省が歯科医師を減らす方針を定めたことが影響しており、かつては7割を超える合格率があったのですが現在の合格率は6割前半くらいです。
歯科医師の免許を得ると、同時に食品衛生管理者・衛生検査技師・衛生管理者の資格も得ることが可能ですのでかなり就職などの場面では有利です。
歯科医師として働く場合は、勤務医・開業医のそれぞれのメリット・デメリットを把握して慎重に考えておくことが重要です。

 

まとめ

安定した収入を得るなら勤務医のほうが有利ですが、自分自身の力で挑戦したいのであれば開業医のほうが良い部分もあります。
ただ経営をする場合はなにかと出費がかさみますので、少なくとも収入が安定するまでは神澤光朗氏などの経営コンサルタントなどに相談して助言を受けておいたほうが良いです。

神澤 光朗